とある秋の朝。関西国際空港。
日本からベルギーへの直行便はないので
オランダアムステルダムで乗り継ぎをして15時間後
ベルギーのブリュッセルに到着しました。
ベルギーといえば…チョコ!ワッフル!
ブリュッセル駅近くのホテルにチェックインして早速探検に。
商店街も歴史的建造物。
ショーウィンドーも素敵で、おとぎ話の世界みたい。
しばらく歩くと急に道が開けて
わー!!グラン・プラス!
圧巻……
一番古いものは15世紀頃の建物で、
市庁舎、博物館、ギルドなどだそうで、、、
これを見ると、美的感覚に優れ、
思想と高度な技術を持った人々の国なんだなあと感じさせられました。
翌日はラテックス工場へ。
ねむたやでは8年前から、取り扱うベッドのマットレスを
金属のスプリングのないマットレスにしています。
その理由は色々ありますが、その中でも一番人気で
自分たちも使っているのがこのラテックスのマットレスなのです。
ラテックスとはつまり「ゴム」の事なのですが、
ゴムはゴムでも天然のゴムの木の樹液を採取して作った「天然ゴム」と、
化学物質から作られている「合成ゴム」と、その混合であるゴム製品があり、
ねむたやが扱っているのは前者の,
樹液から作られている「天然ゴム」です。
その原料となるゴムの木は現在主にマレーシア、インドネシア、
タイ等で栽培されているのですが
何故私はここベルギーに出向いているのでしょうか?
それはさかのぼる事500年余、
コロンブスが南米でゴムを発見した所から始まります。
コロンブスはゴムの木を持ち帰り、何とか栽培を試みますが
気候が違うため育ちません。
そこでロンドンの王立植物園で発芽させた苗を東南アジアへ持って行き、
ゴム農園を作る計画をしました。
そこで当時イギリスに統治されていたマレーシアに農園が作られ、
ゴムの原料や加工のノウハウはそこのみに留まり流出する事なく
近年まで事実上ヨーロッパの独占状態でした。
そんなわけでここベルギーに大規模なラテックス工場があるのです。
到着〜! 大きい!
ベルギー最大の工場と聞いていたので覚悟はしていましたが…大きい!
設備は完全に近代化されていました。
古い物は残っていないのかなあ?と思い探してみると…
ありました。レンガ作りの建物。
もともとはビールの製造をしていたというこの建物を、ラテックス加工工場に変えた事が
このベルギー最大のラテックスメーカーの始まりだったのだそうです。
ここから始まって、今の近代的な工場へと進化していったんですね〜…すごい!
工場内は撮影禁止の部分が多かったので文章のみのお伝えになりますが、
車の工場のように機械のアームが交錯し、かなりの行程で自動化されていました。
ラテックスの原料を一定量金型に流し込む機械は日本製で
日本製の機械は高性能で素晴らしいと絶賛して頂きました。
大量生産でコストを削減し、かといって品質の水準を下げない。
人の手が必要な所はもちろん手作業での加工が行われていましたが
皆さん職人で手際がいい!
この工場は、現代社会の物質的豊かさを担う製造業の鑑だわ…と思いました。
また、働いている方々の和やかなおしゃべりで
会社全体がアットホームで家族のような親密な関係にある事が窺い知れました。
作っている人がそれを好きで、それには価値があると知っていて
それを広める人が、それはいい物だと知っていて、誰かに使って欲しいと思っていて
使う人にそれが届いて、良い物を使えて嬉しいわと、わかって使ってもらえると
それは本当にいい流れだなと思いました。
会長が自転車で工場内を見て回り、
パンフレットには社長の子供が登場するという辺りも、
規模の割にはアットホームな会社です。
それを象徴するようにショールームには大きな絵画が。
左は先代の社長。右はその奥様で、真ん中は現会長夫人です。
若くしてお亡くなりになったので、
会長の中にもその存在が未だ大きく残っているため大きい絵になったのだとか。
写真を撮りましょうと言って頂いて、パチリ。
恥ずかしいので一歩後ろで。(でも手はとりあえずピース。)
ショールームでもイチオシ製品を試して来ました。
私はやっぱり今取り扱っている製品が一番好きだなあ。
日本はやっぱりタタミ?上げ下ろしの文化がある?
三つ折り製品とか需要あるかな?等の質問がありました。
「良い物を作って世界に発信したい。」
インターネットの普及によって、世界中の情報が得られるようになった現代、
物流の範囲は文字通りグローバルになっています。
メーカーがユーザーの意図を汲んで頑張っている中、
私の仕事はメーカーの仕事を正しくユーザーに伝え、
またユーザーの要望をメーカーに届ける事なのだと改めて思いました。
「有名オリンピック選手も使っています」のテントサイン
さあ、明日はイタリアだ!
→つづく